about
むぎきりについて
ツルっとしたのど越しを楽しむ
鶴岡名物「むぎきり」
山形県でも庄内地区でのみ食される「むぎきり」とは?
- Point 1
- 小麦粉を塩水で捏ねて細く切ったうどん(生麵)のこと
- Point 2
- 透き通るような質感と強いコシが特徴
- Point 3
- 歴史は長いが、詳細は謎につつまれた独自の麺
庄内地方で古くから作られ、食されている「むぎきり」
一般的な「うどん」との違いは?
▲麺の断面の形状が平たいのもポイント。冷凍うどんや玉うどんのような太くて断面が丸いものは庄内地方でも「うどん」と呼びます。
山形県・庄内地域で、古くから伝わる郷土食「むぎきり(麦切とも書きます)」。
「むぎきり」とは、小麦粉を塩水で捏ねて細く切った生麺を指し、稲庭うどん(秋田)やひやむぎより太く、讃岐うどん(香川)より細いのが特徴です。蕎麦のように冷たくしめて食べるのが基本で、透き通るような質感と強いコシ、もちもちとした弾力を楽しめます。
庄内人であれば夏になると食べたくなる季節食であり、この地域の蕎麦店や飲食店では当然のようにメニューのひとつとして定番化されています。「むぎきり」と蕎麦の2種類の麺が味わえる「合盛り(あいもり)」は、人気メニューのひとつです。
不思議な名前の由来は?
謎につつまれたご当地麺「むぎきり」
山形県でも庄内地域でのみ食されるご当地麺「むぎきり」の発祥はというと、もともと庶民の食であるため、詳細がはっきりしていないというのが実のところ。
名の由来も「小麦粉の生地をのばして包丁で切るので、むぎきりと呼ぶ」説や「乾麺をうどん、生麺をむぎきりと呼び分ける説」「うどんのことを「むぎ」と呼んでいたから」など諸説あります。しかしながら、蕎麦粉を練り、包丁で細長く切ったものを「蕎麦きり」と呼ぶことから、麦で作った麺を「むぎきり」と呼ぶのはむしろ自然のことと言えるかもしれません。日本でも有数の大穀倉地帯である庄内地域は、古くから麦を育てる農家さんが多かったことから「むぎきり」が作りやすい環境にあったとも推測されます。
「むぎきり」の食べ方
「むぎきり」は冷水でしめた状態で食べるのがスタンダード
コシが強くツルツルとした喉越しが特徴の「むぎきり」は、冷水でキュッとしめた冷たい状態で食べるのがスタンダードとされます。むぎきりを提供する食事処でも「冷」が基本となります。
かつては冠婚葬祭やハレの日などに「色が白く穢れがない精進料理」として提供されてきた歴史もあり、時間をおいても食べられるというところも「冷」の理由のひとつにあるのかもしれません。
薬味に「和辛子」を添えるお店も
麺を「つゆ」に付けて食べるのは蕎麦と同様ですが、薬味にはワサビだけでなく、和辛子を添えるお店もあります。風味のある和辛子が良いアクセントとなり、さらに箸が進みます。「むぎきり」ならではの面白い食べ方といえるでしょう。
「むぎきり」をご自宅で!様々なアレンジで楽しもう
「むぎきり」の原材料は小麦粉と塩、水、というシンプルなもの。冷たい麺をつゆにつけて頂くスタンダードな食べ方はもちろんのこと、ご自宅では様々なアレンジに挑戦するのもオススメです。
さっと食べられる昼食のイメージが強い麺料理ですが、アレンジ次第では夕食の一品として強い味方になってくれそうです。